悪夢あげいん〜AKUAGE〜






 そういや五条とちゃんと話した(?)のはあれが初めてだな。
 周りに誰もいなかったから助かったけど、もし誰かに見られていたらと考えると……寒気がする。
 やっぱり美形の人とは関わらず平和に過ごすのが一番だな。


「おかわり」

「あ、はい」


 それがどうしてこうなった。
 そして俺もなんで普通に五条にご飯をよそってる?

 いや、こうなったのは俺が悪いわけじゃない。
 作った飯をテーブルに並べ、最後にご飯をよそった茶碗を手に戻ってきたらすでに五条が食べていたんだから。
 一人分しか作ってなかったから次々と俺の飯が消えていく。


「うめぇな」

「はぁ、ありがとうございます」


 そういやこの人、いつまで上半身裸なんだろう。
 男の俺から見ると引き締まってる体型だから見せても恥ずかしくないんだろうけど。
 少しは俺の脂肪を受け取って欲しいもんだな。


「ほら」

「え?」


 自分の割れていない腹に触れ筋肉を確かめていると、なぜか俺の作った唐揚げを差し出された。


「腹触ってるから減ってんのかと思ってな」

「あー、まあ、お腹は空いてますけど」


 だってそれ俺の晩飯だしな。


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