悪夢あげいん〜AKUAGE〜
俺は今、シャワーを浴びている。
本当は使った食器などを洗おうかと思ったんだけど、『俺がやる』と五条に言われたため甘えてしまった。
熱いお湯がすごく気持ちいい。
このまま俺の複雑な気持ちも全部、洗い流してくれればいいのに。
「あがりました。あと洗い物ありがとうございます」
「おう、って……ちょっと来い」
リビングのソファに座りながらテレビを見ていた五条の後ろ姿にそう声をかけると、彼はチラリと俺に視線を送ってから手招きをした。
なぜだ。
このまま真っ直ぐ部屋に戻って、五条からもらったグチャグチャのプリンを食べようと思ったのに。
内心、溜め息をこぼしながらプリンを片手に近付いていくと、なにも手にしていないほうの手首を掴まれ、そのまま引っ張られた。
見事にバランスを崩した俺は五条の隣へと倒れ込む。
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