悪夢あげいん〜AKUAGE〜
「言わねぇならこのまま犯す」
「……はは、冗談はやめてくださいよ」
自分の声が震えてるなんて気のせいだ。
太ももを撫でている五条の手が中心に近づいてきているのもきっと気のせいだ。
「このまま犯して公開プレイってのも悪くねぇ」
「ちょ、っと……!」
五条の手が俺のベルトに触れる。
外される金属音にさすがに慌て、声を張ったその瞬間だった。
トイレのとびらが大きな音を立てながら勢いよく開かれた。
「うおー、漏れる漏れる! って、一森こんなところにいたのか!」
零だった。
俺を視界に入れ、次に五条を見て。
最後には俺と五条を交互に見て、口を開く。
「一森! いくら恋人同士だからって、その……そういうエッチなことをここでするのは間違えてると思うぞ!」
「……一つ、訂正させてもらってもいいですか」
「言い訳なんか聞きたくない!」
両手で耳を塞ぎ、トイレのとびらの前でしゃがみ込んだ零の様子を見ようと上半身を起こした。
つもりだった。
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