悪夢あげいん〜AKUAGE〜
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四之宮さんも俺と同じ寮に住んでいるなんて知らなかった。
しかも生徒会と風紀委員だけが入ることのできる特別寮、簡単に説明すると一般生徒が入ることのできない五階で暮らしているという。
自分の身の守る術を知らない一年は四階、二年は三階。
この学年に通い色々と身に付けた三年は二階で、一階が教員の部屋やらコンビニやらその他もろもろとなっている。
ちなみに俺は三階で生活をしている。
なんて、どうでもいい情報だったな。
「なんで五階なのかって、不思議そうな顔してるね」
「なんで、ですか?」
「……一森くんは十年前、この学園でなにがあったか知ってる?」
五階でとまったエレベーターは、まるで俺たちを迎え入れるように左右にドアを開いた。
俺が生活している三階と特に変わらない通路を歩きながら会話をしていると、四之宮さんの口から放たれた言葉に、どこかで聞いたことがある、と普段あまり使うことのない頭をフル回転させる。
ここ最近、十年前の噂を聞いた気がする。
そう、あれは二日前の寮長さんに拉致られる前のことだ。
「ここに通ってた生徒が自殺したってことですか」
「知ってたんだね」
「俺も最近知ったんです。それがなにか関係あるんですか?」
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