シロクロデイズ〜prologue〜


 情報屋として生きていきたいなら仕事をするときはこのお面だけは絶対に外すな。
 外したらお前の命がなくなるものだと思え。

 そう俺に言ってくれたあの人は、いつもあの人自身がつけていた白狐のお面でまるで俺の顔を隠すように被った。
 そのとき初めて、いつもお面で被われていたあの人の素顔を見た。

 どうして。
 どうして。

 なんでそんな泣きそうな顔してるんだよ。


 それが三年前の冬、名前の知らないあの人と最後に交わした会話だった。


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