シロクロデイズ〜first day〜

第一話「first day」


 次の日からはいつもの日常、俺『黒滝(くろたき)』の生活が始まる。
 朝六時、目覚ましの音で起きた俺は真っ直ぐ起動済みのパソコンの前へと座りメールを開きパスワードを入力する。
 するとそこには今まで俺が情報屋として受けたメールや、これから受けるメールが受信されている。

 俺の情報屋としての仕事は報酬の先払いが基本だ。
 余程簡単な内容じゃない限り(校長は何歳なのか、とか)俺が損してしまう可能性のある後払いは行わない。
 と言うのに……。


「先に情報送れってメール多すぎだろ」


 小さな溜め息をこぼしながら削除を完了させた俺の動きが、次に開かれたメールによって停止させられる。


『三年の金久保(かねくぼ)の監視を一週間、そしてその間の金久保の動きの報告を頼みたい。報酬は二十万、先払いでどうだ?』


 らしくもなく自然と口元が引き釣った笑みを浮かべた。
 三年の金久保、俺が知る限りだと一人しかこの学園にいない。
 きっと、今この辺りの地域を支配している族の総長の金久保のことだろう。
 ソイツを一週間、俺が監視するだって?


「……おもしれぇ。受けてやるよ」


 二十万と言う金額に惹かれたわけじゃない。
 今この地域一番の族、金久保の情報に惹かれた。
 上手くいけば金久保の情報はもちろん、副総長や幹部、族全体の情報を手にいれることができるかもしれない。
 今年一番になるであろう大仕事に俺は胸を踊らせながらキーを弾いた。


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